
印刷工場の危険物指定数量|インキ・溶剤の倍数計算と確認手順
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印刷工場の危険物は、SDSで品名・類別・水溶性を確認し、各保管量を指定数量で割った倍数を合算して、消防法と所在地条例の手続を確認します。インキ、洗浄剤、溶剤という材料名だけで分類を決めず、製品ごとのSDS、最大同時保管量、保管場所をそろえて消防へ相談することが基本です。
発注量や年間使用量ではなく、工場、倉庫、現場、廃液置場に一時的に存在する最大量を把握する必要があります。資材担当、防火担当、現場責任者が同じ一覧を使い、材料や保管場所が変わったときに再計算できる状態を作ります。
印刷工場で扱う危険物と指定数量とは
消防法上の危険物は、製品の通称ではなく、危険物の類別・品名・水溶性などで確認します。印刷工場では、油性インキ、洗浄剤、溶剤、廃溶剤が同じ場所に存在することがあるため、個別の保管量と合算の考え方を分けて確認します。
製品名ではなくSDSで分類する理由
同じ「洗浄剤」や「インキ」という名称でも、成分や水溶性が違えば確認する指定数量が変わる可能性があります。容器ラベル、品名、購入先の説明だけで結論を出さず、対象製品の最新版SDSで危険物の類別、品名、水溶性を確認します。
SDSの版、製品名、供給者、保管場所、最大保管量を一覧にし、製品の切替えや濃度変更があったときは前の分類を自動で引き継がないようにします。不明な分類は、SDSを添えて消防本部または供給者へ確認します。
購入時のSDSが残っていても、現場の容器にある製品と一致するかを確認します。開封済み容器や小分け容器は、元の製品名とSDSに結び付く管理番号を付け、分類根拠をたどれる状態に保ちます。
第4類危険物と指定数量の早見表
危険物の規制に関する政令別表第三では、第4類第一石油類の非水溶性液体の指定数量は200L、第4類第二石油類の非水溶性液体の指定数量は1,000Lと定めています。ただし、どちらに当たるかは製品SDSで先に確定します。
| SDSで確認する分類 | 指定数量 | 印刷資材での確認方法 |
|---|---|---|
| 第4類第一石油類・非水溶性液体 | 200L | 製品SDSと最大保管量を照合する |
| 第4類第二石油類・非水溶性液体 | 1,000L | 製品SDSと最大保管量を照合する |
| その他の分類 | 分類ごとに異なる | SDSと政令別表第三を照合する |

指定数量の値だけを先に当てはめると、類別や水溶性の取り違えにつながります。製品ごとの分類が確定してから、保管量と指定数量を対応させる順番を守ります。
複数製品の危険物倍数を計算する手順
複数の危険物を扱うときは、各製品の最大保管量を各指定数量で割り、その値を合算して確認します。計算表には、分類の根拠となるSDSと、どの場所にある量かを併記します。
最大保管量を製品ごとにそろえる
最大保管量は、年間購入量や月間使用量ではありません。倉庫、印刷機の近く、洗浄作業場所、調合場所、廃液の一時保管場所などに、同時に存在し得る最大量を製品ごとに確認します。容器の容量だけでなく、実際の本数や予備在庫も照合します。
保管場所が複数ある場合は、場所ごとに表を分けたうえで、消防へ確認する際に全体像を説明できるようにします。現場にある未使用品、使用中容器、回収待ちの廃溶剤を抜かさず、確認日時点の状態を記録します。
保管量を指定数量で割って合算する
指定数量が異なる複数の危険物を同一場所で扱う場合は、各数量を各指定数量で割った値を合計し、その合計が1以上なら指定数量以上とみなす考え方が消防法に示されています。計算では、製品ごとの分類と単位を確認してから、保管量を指定数量で割ります。
| 製品ごとの記録 | 計算に使う値 | 確認する根拠 |
|---|---|---|
| 製品名・SDS版 | 類別、品名、水溶性 | SDS |
| 保管場所 | 最大保管量 | 現場確認、在庫記録 |
| 政令別表 | 指定数量 | 危険物の規制に関する政令別表第三 |
| 倍数 | 保管量を指定数量で割った値 | 製品ごとの計算記録 |

計算表は、結果だけでなく、分類、保管量、指定数量、確認者、確認日を残します。製品を追加したとき、保管量が増えたとき、SDSが更新されたときは、合算値を再確認します。
倉庫・現場・廃液の置場を漏れなく確認する
危険物の確認は主倉庫だけでは終わりません。原紙倉庫の近くにある洗浄剤、印刷機周辺のインキ、調合場所の溶剤、回収待ちの廃インキ・廃溶剤などを、保管実態に沿って確認します。屋内外の区分、容器、保管方法も消防への照会資料に加えます。
廃液や廃溶剤は廃棄物の管理とも関係しますが、廃棄物処理の区分だけで危険物の確認を省かないことが大切です。状態、保管量、容器、所在地を示して、消防と廃棄物担当への確認を分けます。

保管・変更時の確認漏れを防ぐ方法
確認の結果は、製品の購入担当だけに置かず、保管する現場と防火担当が参照できるようにします。保管品目、最大量、保管場所、SDS版、消防への確認日を更新する起点を決めておくと、材料変更時の漏れを防げます。
指定数量以上と未満の確認先を分ける
指定数量以上の危険物だけでなく、指定数量未満の貯蔵・取扱いも確認が必要です。消防法第9条の4は、指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱いの基準を市町村条例で定めることとしています。所在地の消防本部の案内を確認し、国の指定数量だけで手続の有無を判断しません。
「指定数量の5分の1」を全国共通の届出基準として扱うこともできません。少量危険物に関する基準、届出様式、相談先は市町村条例と消防本部の案内に従い、保管実態を添えて確認します。
設備・容器・掲示の要件を消防へ相談する
保管量の計算後は、保管庫、容器、表示、消火設備、区画などに関する要件を、所在地の消防へ相談します。必要な設備や表示を一般論で決めつけず、扱う製品のSDS、保管数量、保管場所の図、容器の情報を示します。
設備更新、倉庫移動、容器変更、保管場所の増設では、同じ製品でも確認条件が変わります。変更前の計画段階で相談し、前回の回答と今回の保管実態の違いを比較します。

購入量ではなく最大保管量を更新する
購入数量が変わらなくても、納品ロット、在庫水準、現場への払出し方法が変われば最大保管量は変わります。購買記録だけでなく、棚卸し、保管場所の巡回、現場の使用状況を確認し、最も多く同時に存在する状態を更新します。
印刷HUBは危険物台帳や消防手続を管理する専用機能ではありません。法令上の確認は別の記録で管理し、通常案件では材料費を含む見積、受注、工程、原価を整理する範囲にとどめます。危険物の分類・倍数計算・届出を自動で行う機能もありません。

横断的な確認順は印刷工場の環境法令と届出、年間取扱量が関係する別制度は印刷業のPRTR届出を参照してください。SDSの読み方は印刷業の化学物質リスクアセスメント、役割分担は印刷業の化学物質管理者、廃溶剤の処理は印刷会社の産業廃棄物管理へつなげます。
よくある質問(FAQ)
油性インキはすべて同じ指定数量ですか
すべて同じとは限りません。製品SDSで危険物の類別、品名、水溶性を確認し、危険物の規制に関する政令別表第三と照合します。油性という呼び方だけで、第一石油類や第二石油類などの分類を決めないことが重要です。
指定数量未満なら消防への手続は不要ですか
不要とは断定できません。消防法第9条の4に基づき、市町村条例で指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱いの基準が定められます。所在地の消防本部の公式案内で、保管量、場所、容器に応じた確認をしてください。
複数種類の溶剤は別々に判定しますか
製品ごとの分類と保管量を確認したうえで、各数量を指定数量で割った倍数を合算して確認します。具体的な分類、同一場所として扱う範囲、保管形態は、SDSと現場の情報を添えて消防へ確認してください。
廃インキや廃溶剤も数量に含めますか
状態や保管実態によって確認が必要です。SDS、最大保管量、容器、保管場所を示し、消防への確認と、廃棄物としての取扱いの確認を分けます。回収委託を予定していることだけで、保管中の量を確認対象から外しません。
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- 工程管理:プリプレス→印刷→加工→納品の進捗をボードで確認
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まとめ
印刷工場の危険物確認は、SDSで分類を確定し、最大保管量を指定数量で割り、複数製品の倍数を合算する順で進めます。第4類第一石油類の非水溶性液体は200L、第二石油類の非水溶性液体は1,000Lですが、製品の分類は必ずSDSで確認してください。
指定数量未満の基準や手続を全国一律に扱わず、市町村条例と消防本部の案内を確認します。危険物の法令記録は別管理とし、通常案件の材料費・見積・原価とは役割を分けることで、資材や保管方法の変更にも対応しやすくなります。
危険物台帳・消防手続は別管理であることを前提に、材料費を含む通常案件の見積・原価を整えたい会社は、印刷HUBへお問い合わせください。
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