
印刷業のPRTR届出|対象事業者を要件分岐で判定する手順
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印刷業のPRTR届出は、対象業種と常用雇用者21人以上を確認したうえで、第一種指定化学物質の年間取扱量1トン以上、特定第一種0.5トン以上、または特別要件施設の該当性を分岐して判定します。インキや洗浄剤を扱うというだけで対象とは決めず、SDS、年間使用量、対象物質、施設の有無を年度ごとに整理して確認します。
印刷工場では、購買担当が持つ材料情報、現場が把握する使用量、環境担当が確認する制度要件が別々になりやすい領域です。材料名ではなく物質ごとに根拠をたどれる表を作り、対象外と判断した年も根拠を残すと、翌年度の確認を再現できます。
印刷業のPRTR制度とは
PRTRは、対象となる事業者が化学物質の排出量・移動量を把握し、届出する制度です。印刷会社は製造業に含まれ得るため、業種、常用雇用者数、物質別の年間取扱量、特別要件施設を順番に確認します。
印刷会社が対象になり得る理由
化学物質排出把握管理促進法施行令では、対象業種に製造業が含まれています。経済産業省のPRTR制度の対象事業者でも、出版・印刷・同関連産業を含む対象業種表が示されています。印刷会社であっても、業種要件だけで届出対象が確定するわけではありません。
対象の確認では、事業所ごとの業務内容、常時使用する従業員数、材料に含まれる対象物質、年間取扱量、特別要件施設の有無を同じ年度の資料でそろえます。兼業や事業所の再編があれば、前年の判断をそのまま使わず、業種と人員の前提から確認し直します。
業種・人数・取扱量等の要件分岐早見表
化学物質排出把握管理促進法施行令では、届出対象の判定に業種、従業員数、物質の取扱量または特別要件施設の分岐を置いています。常時使用する従業員が21人以上であることを確認したうえで、物質ごとに条件を確認します。
| 確認の順番 | 確認する内容 | 判断の扱い |
|---|---|---|
| 1 | 対象業種に該当するか | 事業内容と公式の業種表を照合する |
| 2 | 常時使用する従業員が21人以上か | 対象事業所の人数根拠を残す |
| 3 | 第一種指定化学物質の年間取扱量 | 原則として物質ごとに1トン以上を確認する |
| 4 | 特定第一種指定化学物質の年間取扱量 | 物質ごとに0.5トン以上を確認する |
| 5 | 特別要件施設の有無 | 物質量とは別の分岐として確認する |

届出の根拠は、対象物質を含む製品の購入量そのものではなく、対象物質ごとの取扱量です。SDSの含有率や対象物質一覧の版を確認し、同じ製品名でも仕様変更があれば最新の資料へ入れ替えます。
PRTR対象事業者を判定する手順
判定表は、材料ごとのSDSを集める前に、対象年度と対象事業所を固定しておくと使いやすくなります。年度途中に材料や工程が変わった場合も、変更前後の資料を混在させず、いつから何を使用したかを記録します。
対象業種と常用雇用者数を確認する
最初に、対象事業所の業種と常時使用する従業員数を確認します。組織全体の人数や一時的な在籍人数を安易に置き換えず、年度の判定に使う人数根拠を人事・総務の記録から明確にします。対象業種の詳しい区分に迷うときは、公式の案内で確認します。
この段階では、インキや溶剤の使用量を先に足し上げないことがポイントです。業種・人数の前提を記録した後に材料一覧へ進むと、対象外判断にも理由を残せます。
最新版SDSから対象物質と含有率を拾う
次に、インキ、洗浄剤、湿し水添加剤などについて、対象年度に使用した製品の最新版SDSを集めます。製品名、供給者、SDS版、管理番号、対象物質、含有率を材料ごとに一覧化し、旧版のSDSが残っている場合は切り替え時期も記録します。
SDSに名称が見当たらないことだけで対象外とは扱いません。対象物質一覧とSDSの表記を照合し、不明な場合は供給者または所管窓口へ確認します。製品の総量と物質の量を同じ値として扱わないことも重要です。

製品使用量を物質別の年間取扱量へ換算する
購入量、在庫、工程での使用量、廃棄量の集計期間をそろえ、製品ごとの使用量から対象物質の年間取扱量を整理します。換算の根拠には、製品名、含有率、数量、単位、対象年度、計算者を残します。物質ごとの合算対象を誤ると結論が変わるため、材料別の明細を残します。
化管法施行令の要件では、第一種指定化学物質は原則として物質ごとに年間1トン以上、特定第一種指定化学物質は物質ごとに年間0.5トン以上が確認起点です。特別要件施設がある場合は、取扱量の判定とは別の分岐として公式案内を確認します。

届出数量の根拠を毎年残す方法
届出対象かどうかの結論だけを残すと、翌年に材料や工程が変わったとき、どの前提を見直すべきか分かりません。対象・対象外を問わず、判定に使った資料、年度、確認者、照会先を同じ記録にまとめます。
購買・在庫・廃棄の集計期間をそろえる
購買記録、在庫記録、廃棄記録の期間がずれると、材料の扱いを重複または欠落させるおそれがあります。対象年度の始点と終点を先に決め、各記録がどの期間を示すのかを明記します。工程での使用実態と購買量に差がある場合は、その差の説明も残します。
材料名の変更、仕入先変更、外注化があった場合は、同一品目として単純に合算しません。SDSの版、含有率、使用場所を確認し、変更時点を境に根拠を分けて整理します。
排出量と移動量の算定根拠を保存する
化学物質排出把握管理促進法第5条は、第一種指定化学物質等取扱事業者の排出量・移動量の届出を定めています。届出の対象となったときは、排出量・移動量の算定方法、使用した資料、対象物質、確認者を保存し、単なる計算結果だけを残さないようにします。
算定方法や届出期間の詳細は、当該年度の経済産業省・環境省の案内を確認します。前年の手順書を使う場合も、対象物質一覧や制度案内の版が変わっていないかを先に確認します。

対象外判定にも年度と根拠を付ける
対象外と判断した年も、業種、人員、SDS、年間取扱量、特別要件施設の確認結果を残します。対象外という結論だけでは、材料の切替えや人員増加があった年に再確認する理由が見えなくなります。翌年度の確認予定と、変更が起きたときの再判定条件を記録します。
印刷HUBはPRTR数量計算や電子届出を行う専用機能ではありません。確定した材料費、外注費、案件原価など通常業務の情報を整理する範囲に限ります。SDS、物質別計算、届出証跡は法令要件に沿った別の記録として管理してください。

環境法令を横断して確認するには印刷工場の環境法令と届出を参照してください。VOC施設規制との違いは印刷工場のVOC排出規制、SDSの確認方法は印刷業の化学物質リスクアセスメント、役割分担は印刷業の化学物質管理者、年次運用は印刷工場の安全衛生・化学物質管理年間カレンダーで整理できます。
よくある質問(FAQ)
インキを扱えばすべての印刷会社が対象ですか
すべてが対象ではありません。対象業種、常時使用する従業員数、第一種指定化学物質の年間取扱量または特別要件施設の分岐を確認します。化管法施行令第3条・第4条と、対象年度の公式案内を照合して判定してください。
製品の使用量をそのまま1トンと比べますか
製品の総量をそのまま比べるとは限りません。対象物質の含有率を確認し、製品使用量を物質別の年間取扱量として整理します。換算方法や対象物質の確認は、経済産業省・環境省の最新の算出案内を確認します。
届出期間は毎年同じですか
化管法第5条を確認起点とし、当該年度の経済産業省の届出案内で期限、提出方法、対象年度を確認します。過去の届出時期を根拠に固定せず、年度ごとに最新の公式案内を確認してください。
SDSに管理番号がなければ対象外ですか
管理番号がないことだけで対象外とは言えません。SDSの版、対象物質一覧、製品の組成情報を再確認し、不明点は供給者または所管窓口へ照会します。照会した内容と回答日も判定記録に残します。
印刷会社の業務は「印刷HUB」でまとめてラクにできます
- 見積・再版:用紙・印刷・加工の積算と、版番号ごとの前回仕様・価格の保存
- 工程管理:プリプレス→印刷→加工→納品の進捗をボードで確認
- 原価・請求:案件ごとの粗利と、月次請求から入金の消し込みまで
まとめ
印刷業のPRTR届出は、対象業種、常時使用する従業員21人以上、物質別の年間取扱量または特別要件施設を順に確認します。第一種指定化学物質は原則年間1トン以上、特定第一種指定化学物質は年間0.5トン以上が確認起点ですが、材料名や製品総量だけで結論を出しません。
SDSの版、含有率、使用量、年度、人員、施設の有無を同じ判定表に残し、対象外の結論にも根拠を付けてください。届出・計算の専用管理と通常案件の原価管理は役割を分けると、材料や工程が変わった際にも確認しやすくなります。
PRTR判定・届出は公式窓口へ確認したうえで、材料費を含む通常案件の見積・原価を整えたい会社は、印刷HUBへお問い合わせください。
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