
印刷工場の作業環境測定|第三管理区分の対応手順【2026年版】
対象となる印刷工場の作業環境測定は6月以内ごとに行い、第三管理区分なら設備・工程等の点検と改善から始め、再評価と専門家意見を経て必要な保護具等の措置へ進みます。第三管理区分という結果を受けて保護具だけを追加し、設備や工程の点検と再評価を省くことはできません。
本記事では、対象屋内作業場の判定、測定・評価・記録の周期、第三管理区分後の対応順序を印刷工場向けに整理します。生産予定と是正作業を並行管理する方法も示しますが、印刷HUBには作業環境測定や安全衛生台帳の専用機能はありません。
印刷工場で作業環境測定が必要な条件
対象となる屋内作業場を確認する
労働安全衛生法65条は、有害な業務を行う屋内作業場等について、事業者が必要な作業環境測定を行い、結果を記録する枠組みを定めています。有機溶剤に関しては、労働安全衛生法施行令21条10号と有機溶剤中毒予防規則28条から、対象となる屋内作業場を確認します。
印刷工場に洗浄剤やインキがあるだけで全作業場を対象にせず、対象業務、資材、場所、作業頻度、換気設備を区画ごとに照合します。印刷工場の有機溶剤作業主任者の作業棚卸しと共通の設備名・場所名を使うと、対象判定のずれを減らせます。

測定・評価・記録を一つの周期で管理する
対象屋内作業場では6月以内ごとに1回、定期に測定し、測定の都度速やかに第一・第二・第三の管理区分へ評価します。測定結果と評価結果の記録はそれぞれ3年間保存することが有機則28条・28条の2に定められています。
測定日だけをカレンダーへ置かず、測定対象、結果受領日、評価日、管理区分、担当、記録場所を一つの周期として管理します。印刷工場の安全衛生・化学物質管理年間カレンダーへ周期を配置し、作業や設備を変更した場合は次回定期日を待つだけでよいかを一次資料と専門家へ確認してください。
| 管理区分 | 初動 | 次の確認 | 担当例 | 記録 |
|---|---|---|---|---|
| 第一管理区分 | 現状管理の継続 | 次回周期と変更有無 | 安全担当・現場 | 測定・評価・日常管理 |
| 第二管理区分 | 状況確認と必要な改善検討 | 設備・工程・作業方法 | 安全担当・設備・現場 | 評価、検討、措置 |
| 第三管理区分 | 直ちに点検・改善 | 再測定・再評価 | 事業者・安全・設備・現場 | 点検、改善、再評価 |

第三管理区分になったときの対応順序
設備・工程・作業方法を点検して改善する
第三管理区分になった場所では、事業者が直ちに施設・設備・作業工程・作業方法を点検し、第一または第二管理区分となるために必要な改善措置を講じます。局所排気装置の能力、フード位置、ダクト、作業位置、容器の開放、洗浄手順、作業時間などを分けて確認します。
改善案は「換気を強くする」のような抽象表現で終えず、対象設備、作業工程、担当、停止が必要な時間、完了条件を工程表へ置きます。印刷の工程管理で進捗を見える化する方法を応用し、生産案件と是正作業の衝突を見えるようにしてください。
点検では、測定時と通常生産時の作業条件が同じだったかも確認します。臨時の扉開放、資材使用量、同時稼働設備、清掃作業の有無を記録し、設備だけでなく工程・作業方法の改善候補を漏らさないようにします。
改善効果を再測定・再評価する
改善措置を講じたときは、その効果を確認するために再び測定し、結果を評価します。設備改修の完了報告だけで第一・第二管理区分へ改善したと判断せず、再測定値と再評価結果を前回記録へ結び付けます。
改善前後で対象場所、作業条件、測定条件が異なる場合は、比較可能性を確認します。再評価日、管理区分、残った課題を記録し、改善が不十分なら次の手順へ進みます。
未改善等の場合に専門家の意見を聴く
改善と再評価を経ても第一または第二管理区分にならない場合などは、有機則28条の3の2に沿い、遅滞なく事業場外の作業環境管理専門家の意見を聴きます。最初の第三管理区分の判定直後から設備点検を飛ばして専門家意見だけへ進むのではなく、条文の順序を守ります。
専門家が改善可能と判断した場合は、その意見に基づき直ちに措置を講じ、再び測定・評価します。意見書、実施した措置、再評価を同じ是正番号で管理してください。
| 段階 | 安全担当 | 設備・工程担当 | 生産管理 | 記録 |
|---|---|---|---|---|
| 結果受領 | 管理区分確認 | 対象設備確認 | 影響工程確認 | 測定・評価結果 |
| 点検 | 条文・対象確認 | 設備・工程・方法を点検 | 停止候補を調整 | 点検表、写真、担当 |
| 改善 | 措置確認 | 改修・手順変更 | 生産予定を更新 | 改善内容、完了日 |
| 再測定・再評価 | 実施管理 | 条件再現 | 対象作業を設定 | 再測定、再評価 |
| 専門家意見 | 依頼・意見管理 | 改善可否を検討 | 追加停止を調整 | 意見、決定、措置 |
| 追加措置 | 継続確認 | 設備・保護具等 | 作業条件を反映 | 測定、装着確認、周知 |
この第三管理区分対応スイムレーンは、印刷HUBの4工程ボード、作業指示、監査ログという実装事実を基にした独自編集フレームです。法定記録の代替ではなく、結果受領から再評価までの担当と生産影響を対応させる工程表です。

改善困難時の保護具等の措置
個人サンプリング測定等と保護具を選ぶ
専門家が改善困難と判断した場合、または措置後も第三管理区分となった場合は、有機則28条の3の2に従い、個人サンプリング測定等により濃度を測定し、結果に応じて有効な呼吸用保護具を使用させます。設備改善を諦めるための代替ではなく、改善困難時の追加措置です。
この状態が続く間、個人サンプリング測定等は6月以内ごとに1回行います。対象作業、測定結果、保護具の選択根拠、使用者、作業時間を一組にして管理します。

装着確認・責任者・周知を続ける
面体付き呼吸用保護具を使用させる場合は、装着確認を1年以内ごとに1回行います。保護具着用管理責任者の選任、作業場所での周知、対象者への説明も、測定結果と関連付けて継続します。
関連記録は3年間保存することが有機則28条の3の2に定められています。測定、装着確認、責任者、周知を別々の日程で実施しても、同じ対象場所と是正案件をたどれるキーを付けてください。
生産予定と是正記録を両立する
担当・停止工程・再測定・記録を工程表にする
是正計画には、設備点検、改修、作業手順変更、停止工程、再測定、再評価、専門家意見、周知を置きます。生産案件の納期だけを優先して再測定を後回しにせず、法令上の対応順序と再開条件を経営者・現場で共有します。
印刷HUBは、作業指示、プリプレス・印刷・加工・納品の4工程ボード、監査ログで、担当・実施日・工程変更を整理できます。ただし、測定結果や安全衛生の法定記録を管理する専用機能ではありません。

印刷の品質管理と印刷ミス防止の変更管理と同様に、是正後の作業条件を標準手順へ反映します。印刷業の化学物質リスクアセスメントとも接続し、作業方法変更が再評価の契機になることを確認してください。
是正作業の担当・実施日・停止工程・作業指示変更を案件側で共有する補助運用は、印刷HUBの資料請求・無料で製品体験で確認できます。測定機能や法定台帳を提供するものではありません。
よくある質問(FAQ)
作業環境測定はどのくらいの頻度ですか
対象屋内作業場では6月以内ごとに1回測定し、測定と評価の記録を3年間保存します(有機溶剤中毒予防規則28条・28条の2)。対象作業場かどうかは労働安全衛生法施行令21条と作業実態から確認します。
第三管理区分なら保護具だけで対応できますか
いいえ。保護具は必要な措置の一部ですが、まず施設・設備・工程・作業方法を点検・改善し、その効果を再測定・再評価します(有機溶剤中毒予防規則28条の3)。
作業環境管理専門家にはいつ意見を求めますか
初期の改善と再評価を経ても第三管理区分が続く場合等、第一または第二管理区分となっていない場所について遅滞なく意見を聴きます(有機溶剤中毒予防規則28条の3の2)。
まとめ
対象屋内作業場の作業環境測定は6月以内ごとに行い、測定の都度速やかに評価し、両方の記録を3年間保存します。第三管理区分では、設備・工程・作業方法の点検と改善、再測定・再評価、専門家意見、改善困難時の追加措置という順序を守ってください。
生産予定と是正作業を一つの工程表で調整しても、法定記録と印刷HUBの案件・監査ログは役割を分けます。工程管理は担当と変更の共有を補助し、測定・評価・保護具等の記録は要件どおり別途保存します。
是正作業と生産工程の担当・実施日を共有したい方は、印刷HUBの資料請求・無料で製品体験をご利用ください。料金プランでは導入条件を確認できます。
監修:依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
印刷会社の受発注・工程・原価管理など基幹業務のデジタル化に取り組み、本記事は第三管理区分の対応順序と生産工程への影響を分けて確認できるよう設計・確認しています。
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