
廃インキ・廃液の処分区分|印刷会社の産廃種類早見表【2026年版】
廃インキ・廃液・損紙等の分類は資材名だけでは決めず、性状、発生工程、法定種類、自治体運用を突き合わせて確認します。「インキだから廃油」「紙だから紙くず」と名称だけで固定すると、混合状態、業種限定、処理業者の許可範囲を見落とします。
本記事では、廃インキ、洗浄廃液、現像廃液、損紙・古紙、版、ウエス、空缶の7資材を、印刷4工程と照合します。候補となる法定種類を示しつつ、確認資料、照会事項、回答日までを残す早見表として使ってください。
印刷廃棄物の種類は資材名だけで決めない
廃棄物処理法と施行令の種類を確認する
廃棄物処理法2条は廃棄物と産業廃棄物を定義し、同法施行令2条は汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、金属くず、紙くず等の種類を定めています。分類の出発点はe-Govの廃棄物処理法と同施行令です。
法律上の種類と現場の資材名は粒度が違います。廃インキの容器内残さ、洗浄廃液、インキが付着したウエス、複数物が混ざった状態では、性状と含有物を確認してから候補を整理します。

性状・発生工程・自治体運用を確認する
同じ商品名でも、未使用品、工程で生じた残さ、洗浄で混合した液、容器に付着した状態では性状が異なります。どの工程で、どの資材を、どのように使い、どの状態で排出するかを写真やSDSとともに整理します。
個々の資材の当てはめには自治体の運用差があり得るため、確認先、回答者、回答日、前提条件を記録します。前提となる配合や工程が変われば、前回回答をそのまま流用しないでください。
資材別の種類候補を確認する
廃インキ・洗浄廃液・現像廃液
廃インキは液状・泥状、溶剤や樹脂の含有、他物との混合を確認し、廃油や汚泥等の候補を自治体・処理業者へ示します。洗浄廃液と現像廃液も、pH、含有物、混合状態、発生工程を確認し、名称だけで廃酸・廃アルカリ等へ確定しません。
SDSは成分や取扱いの確認資料ですが、SDSだけで廃棄物区分が法的に確定するものではありません。写真、工程説明、保管容器、予定量を加え、許可を持つ処理業者の受入条件と照合します。
照会票では、印刷機から回収した残インキと、器具洗浄で生じた液を別の行にします。複数色や複数の洗浄資材を同じ容器へ入れる運用なら、混合前の資材情報と混合後の性状を両方示し、採取日時や保管温度など回答の前提になった条件も残してください。
現像廃液についても、設備名、使用工程、補充・交換方法、他液との混合の有無を記録します。過去に同じ名称で確認済みでも、設備や薬剤が変われば性状が同じとは限らないため、資材変更と設備変更を再照会の契機にします。
損紙・古紙・版
紙くずは廃棄物処理法施行令2条で業種に関する限定があるため、紙であるという物性だけで全国一律の分類をしません。印刷会社の事業内容、発生工程、混入物、取引実態を整理し、自治体へ確認します。
版は材質を特定し、金属、樹脂、付着物の有無、複合状態を記録します。紙と版を同じ容器へ混ぜる前に、処理業者の許可範囲と委託条件を確認してください。
損紙・古紙は、印刷前後、加工前後、濡れ・汚れ・異物混入の有無で状態を分けて記録します。売却、無償引渡し、処理委託といった取引形態も事実として残しますが、その一項目だけで有価物または廃棄物と結論づけるものではありません。
版については材質証明、仕入情報、使用後の写真を添え、表面のインキや感光層など付着物を処理業者へ伝えます。分解して別々に引き渡す場合と複合物のまま引き渡す場合を区別し、契約上の対象種類と一致するかを確認します。

ウエス・空缶・混合物
ウエスは素材だけでなく、付着したインキや洗浄剤、含浸状態を確認します。空缶は材質、残留物、洗浄の有無を記録し、金属容器だから常に同じ分類になるとは扱いません。
混合物は、構成物、混合の理由、分離可能性、荷姿を説明できるようにします。保管中の性状変化や他の廃棄物との混合による支障も、委託契約で伝える情報へ反映します。
ウエスは布・紙・合成繊維などの素材と、付着・含浸した物を別欄にし、乾燥状態も写真で残します。空缶は蓋の有無、残留量、洗浄方法、変形の有無を記し、「空」という社内呼称だけで残留物がないと扱わないようにします。
保管容器のラベルには、社内の候補分類だけでなく、投入できる資材と投入禁止物を明記します。異なる性状の物が混ざった場合は、いつ誰が何を投入したかを確認し、分類と受入条件を改めて照会してください。
| 資材 | 主な発生工程 | 性状・荷姿の確認 | 法定種類の候補 | 自治体等へ伝えること |
|---|---|---|---|---|
| 廃インキ | 印刷 | 液状・泥状、含有、混合 | 廃油・汚泥等を照会 | 配合、写真、工程、量 |
| 洗浄廃液 | 印刷・保守 | 液性、含有、混合 | 廃油・廃酸・廃アルカリ等を照会 | SDS、洗浄対象、保管 |
| 現像廃液 | プリプレス | pH、含有、使用工程 | 廃酸・廃アルカリ等を照会 | 工程、SDS、容器 |
| 損紙・古紙 | 印刷・加工 | 混入、濡れ、取引実態 | 紙くず等を照会 | 事業、工程、性状 |
| 版 | プリプレス・印刷 | 材質、付着物、複合 | 金属くず・廃プラスチック等を照会 | 材質、写真、付着物 |
| ウエス | 印刷・保守 | 素材、含浸・付着物 | 素材・付着物から照会 | 使用資材、状態、荷姿 |
| 空缶 | 印刷・加工 | 材質、残留、洗浄 | 金属くず等を照会 | 残留物、材質、写真 |
この7資材×印刷4工程の確認マトリクスは、印刷HUBの4工程ボード、作業指示、案件情報という実装事実を基にした独自編集フレームです。分類結果ではなく、候補、確認先、回答日、前提条件を残すための確認表です。

自治体・処理業者へ確認する
SDS・写真・性状・発生工程をそろえる
照会資料は、資材名、SDS、現物写真、液状・固形等の性状、発生工程、混合状態、荷姿、予定量を一組にします。口頭で商品名だけを伝えるより、自治体と処理業者が同じ前提を見られる確認票にします。
確認票には質問を具体的に書き、候補となる法定種類、受入可否、必要な追加情報、保管・引渡し上の注意を分けて尋ねます。自治体の分類上の回答と、処理業者の許可・受入条件に関する回答は同じではないため、確認先ごとに欄を分けます。
回答を得たら、回答日時、部署、担当、提示資料、前提条件を記録し、社内の保管ラベルと委託契約へ反映します。口頭回答は要点を記録し、必要に応じて文書で前提を再確認できる状態にしてください。
施行規則8条の4の2は、委託契約で性状・荷姿、保管中の性状変化、混合による支障、取扱注意事項等を伝える枠組みを定めています。e-Govの廃棄物処理法施行規則を確認し、分類照会の情報を契約条件へつなぎます。

許可範囲と委託条件へつなげる
種類を確認したら、運搬・処分の委託先がその種類と区域・事業範囲を許可に含むかを照合します。受入可能という営業回答だけで終えず、最新許可証、契約、運搬先、処分方法を確認してください。
印刷会社の協力会社・外注先管理の取引先情報は補助に使えますが、産廃の許可範囲と一般的な外注評価を混同しません。印刷会社の産業廃棄物管理の全体フローへ戻り、契約・交付・終了確認までつなぎます。
資材と発生案件を記録する
種類確認日・確認先・判断根拠を残す
種類確認記録には、資材、工程、性状、法定種類候補、確認先、照会内容、回答日、回答者、前提条件、再確認条件を置きます。結論だけを案件へ記すのではなく、どの資料と前提で確認したかをたどれるようにします。
印刷HUBの案件、作業指示、カスタム項目、監査ログは、発生工程と資材変更の整理を補助できます。印刷の作業指示書を電子化する方法と印刷の案件別原価管理を使っても、分類判定と法定記録は別途管理してください。

発生工程、使用資材、作業変更を案件側へ残す補助運用は、印刷HUBの資料請求・無料で製品体験で確認できます。廃棄物の種類を自動判定する機能ではありません。
よくある質問(FAQ)
廃インキは必ず廃油ですか
必ず廃油とは断定できません。性状、含有物、発生工程を確認し、自治体や許可を持つ処理業者へ照会します(廃棄物処理法2条、同施行令2条)。
印刷会社の損紙は必ず産業廃棄物の紙くずですか
一律ではありません。廃棄物処理法施行令2条の紙くずには業種に関する限定があるため、事業内容、発生工程、混入物、取引実態を確認します。
自治体によって分類が変わることはありますか
個々の資材の扱いには運用差があり得ます。性状、工程、SDS等とともに照会し、回答日、確認先、回答者、前提条件を記録します。
まとめ
廃インキ・廃液・損紙等は資材名だけで分類せず、性状、含有物、発生工程、混合状態、法定種類、自治体運用を照合します。7資材の早見表は結論表ではなく、SDS、写真、荷姿、照会事項をそろえる確認表として使ってください。
確認後は、処理業者の許可範囲と委託条件へつなぎ、回答日と前提条件を記録します。印刷HUBは発生案件と資材変更の整理を補助しますが、分類や許可の判断は一次資料と自治体・処理業者への確認で行います。
発生工程・使用資材・変更履歴を案件へ整理したい方は、印刷HUBの資料請求・無料で製品体験をご利用ください。料金プランでは導入条件を確認できます。
監修:依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
印刷会社の受発注・工程・原価管理など基幹業務のデジタル化に取り組み、本記事は印刷廃棄物を資材名で一律分類せず、確認情報をそろえられるよう設計・確認しています。
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