
印刷業の水質汚濁防止法|現像洗浄施設の対象判定と届出
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印刷業では、自動式フィルム現像洗浄施設と自動式感光膜付印刷版現像洗浄施設が水質汚濁防止法上の特定施設に該当し得るため、設備実態と排水経路を確認します。設備の通称やCTP工程という呼び方だけで結論を出さず、自動式かどうか、洗浄工程、薬液、洗浄水、回収廃液、排水先を一つの流れで整理し、所在地の自治体へ確認します。
現像洗浄設備では、廃液を回収しているか、公共用水域へ排出するか、公共下水道を使用するかで確認先や制度が分かれます。廃棄物としての回収と排水規制を同じ管理として扱わず、設備変更の前に排水経路を図にしておくことが重要です。
印刷業に関係する水質汚濁防止法とは
水質汚濁防止法は、特定施設から公共用水域へ排出される水について、設置・変更の届出や排水規制の枠組みを定めています。印刷・製版工程では、どの設備が実際にどのような洗浄を行い、洗浄水や薬液がどこへ流れるかを確認の起点にします。
特定施設と排水規制の基本
水質汚濁防止法では、特定施設を設置・変更する場合の確認起点として第5条と第7条が置かれています。届出の種類や期限、測定項目は設備と所在地の条件で異なるため、設備資料を添えて自治体の水質担当窓口へ確認します。
排水を全量回収していると考えていても、洗浄水、床洗浄水、排水設備の接続先などを確認しなければ排水経路は確定しません。特定施設に当たるかどうかと、廃液を産業廃棄物として処理するかどうかは別の論点として記録します。
印刷・製版の対象施設早見表
水質汚濁防止法施行令別表第一第23号の2は、新聞業、出版業、印刷業または製版業の用に供する自動式フィルム現像洗浄施設と、自動式感光膜付印刷版現像洗浄施設を掲げています。設備名が似ていても、実際の工程と自動式かどうかを確認します。
| 確認する設備 | まず確認する実態 | 併せて記録する情報 |
|---|---|---|
| 自動式フィルム現像洗浄施設 | フィルムの現像・洗浄を自動で行うか | 設置日、薬液、洗浄水、排水先 |
| 自動式感光膜付印刷版現像洗浄施設 | 感光膜付印刷版の現像・洗浄を自動で行うか | 設置日、薬液、回収廃液、排水先 |
| 周辺設備 | 洗浄水や薬液がどの系統へ流れるか | 配管図、回収委託、自治体照会記録 |

同じように見える設備でも、実際の洗浄工程や排水経路が異なれば確認結果も変わります。設備台帳には名称だけでなく、方式、処理対象、使用薬液、排水先、確認した資料の版を残します。
現像洗浄施設の対象を判定する手順
対象判定は、設備の名称から始めず、工程の実態と水・薬液の流れから始めます。工場長、設備担当、現場担当、環境担当が持つ情報を一枚の確認表に集めると、別の部署にある排水情報を見落としにくくなります。
設備名称ではなく実際の工程を確認する
「CTP」「製版」「現像機」といった呼び方だけで対象外・対象と決めません。自動式フィルム現像洗浄施設または自動式感光膜付印刷版現像洗浄施設に当たるかを、設備の取扱説明書、仕様書、現物表示、作業手順で照合します。設備の更新履歴があれば、旧設備と新設備を分けて確認します。
工程が外注化されている場合や、設備を停止している場合も、設置状況や排水設備の状態を自治体へ説明できる資料をそろえます。設備名称の一致だけを理由に、実態確認を省かないことが大切です。
薬液・洗浄水・回収廃液の流れを描く
次に、薬液の投入、現像・洗浄、洗浄水、回収廃液、排水管、最終的な排水先を工程ごとに図にします。回収容器へ入る廃液と、排水設備へ流れる水を分け、どの段階で混ざる可能性があるかを現場で確認します。
この図には、設備番号、配管の接続先、回収委託先、洗浄頻度ではなく確認日を記録します。頻度や量を推測して書き込むのではなく、分からない箇所を残したうえで、設備資料と現場確認を通じて補います。

設置場所と排水先を添えて自治体へ照会する
自治体へ照会するときは、所在地、設備の方式、自動式かどうか、設置・変更日、薬液、洗浄水、排水先、配管図をそろえます。公共用水域へ排出する場合と公共下水道へ排除する場合では、確認すべき制度や窓口が異なる可能性があります。
回答を受けたら、確認日、確認先、回答者、前提となった設備仕様を記録します。設備や排水経路が変われば前提も変わるため、前回の回答を新しい工程へ自動で当てはめません。

設置・変更後の確認を続ける方法
対象判定は設備導入時だけで終わるものではありません。更新、移設、薬液変更、排水経路の変更、停止・廃止などがあるたびに、前回の確認前提と現在の設備実態を比べます。
設備更新前に届出の種類と期限を確認する
設備を入れ替える前に、旧新の設備仕様、設置予定日、工事内容、排水経路を整理し、届出の種類と期限を自治体の最新案内で確認します。水質汚濁防止法上の手続が必要かどうかは、設備の方式や排水先を添えて確認し、発注後に判断を後回しにしません。
届出の期限を全国一律の数値で置かず、回答の根拠と対象設備を残します。工事計画が変わった場合は、搬入日ではなく実際の設置・変更内容を再確認します。
測定項目と排水基準を公式資料で照合する
排水基準や測定項目は、排水先、設備、物質、条例によって異なり得ます。国の制度で確認できる範囲と、自治体条例で確認すべき範囲を分け、具体の数値を推測で埋めません。設備資料と排水経路を添えて、所管窓口の案内に従います。
公共下水道へ排水する場合は、下水道法も確認起点になります。同法第12条の2は特定事業場からの下水の排除の制限、第12条の3は特定施設の設置等の届出、第12条の11は除害施設、第12条の12は水質の測定義務等を定めています。具体の水質基準や除害施設の要否は、所在地の条例と下水道管理者の基準で確認します。

排水記録と産廃の委託記録を分ける
回収した廃液の委託記録は、廃棄物としての処理を確認する記録です。一方、排水の届出や測定に関する記録は、排水規制の確認に使う記録です。同じ設備から発生する情報でも、目的、確認先、証跡を分けて整理します。
印刷HUBは排水届出や測定記録を管理する専用機能ではありません。行政確認後の通常案件について、見積、受注、プリプレスから納品までの工程、原価を整理するためのシステムです。法令上の届出・測定・排水記録は、必要な別の方法で管理してください。

印刷工場の環境法令と届出で横断確認の順番を見直し、薬液の大気側の確認は印刷工場のVOC排出規制を参照してください。回収廃液の処理は印刷会社の産業廃棄物管理と廃インキ・廃液の処分区分へ、化学物質の年次確認は印刷工場の安全衛生・化学物質管理年間カレンダーへつなげます。
よくある質問(FAQ)
CTP工程なら特定施設ではありませんか
呼称だけでは断定できません。水質汚濁防止法施行令別表第一第23号の2と、実際の設備、現像・洗浄工程、自動式かどうかを照合します。設備資料と洗浄水の経路を添え、所在地の自治体へ確認してください。
廃液を全量回収すれば届出は不要ですか
全量回収という説明だけで届出不要とは言えません。洗浄水や床洗浄水などの経路を含めて確認し、廃棄物としての回収と水質汚濁防止法上の制度を別に扱います。設備と排水経路を示して所管自治体へ照会します。
設備を入れ替える何日前に確認しますか
水質汚濁防止法と自治体の最新届出案内で、届出の種類と期限を確認します。設備発注や工事日程が確定し始めた段階で、旧新の仕様、設置場所、排水先をそろえて相談し、全国一律の日数を想定しないことが大切です。
下水道へ流す場合も確認が必要ですか
確認が必要です。下水道法第11条の2、第12条の2から第12条の5、第12条の11、第12条の12を確認起点とし、公共下水道管理者の案内と所在地条例を確認します。排水基準値や除害施設の要否は、下水道管理者の基準に沿って個別に判断します。
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まとめ
印刷・製版の現像洗浄設備は、名称ではなく実際の工程、自動式かどうか、薬液・洗浄水・回収廃液の流れ、排水先を組み合わせて確認します。自動式フィルム現像洗浄施設と自動式感光膜付印刷版現像洗浄施設は、水質汚濁防止法施行令の対象施設として確認し、設置・変更は自治体の案内に沿って判断してください。
公共下水道へ排水する場合は下水道法も確認起点にし、具体の基準値や除害施設は条例と下水道管理者へ確認します。排水の法令記録と廃液の委託記録を分け、通常案件の見積・工程・原価とは役割を分けて整えることが重要です。
排水法令の判定・届出は所管窓口へ確認したうえで、通常案件の見積・工程・原価を整えたい会社は、印刷HUBへお問い合わせください。
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