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印刷工場のVOC排出規制|乾燥施設の対象判定と届出・記録
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印刷工場のVOC排出規制|乾燥施設の対象判定と届出・記録

2026年9月29日17分で読める

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印刷工場のVOC規制は、印刷方式と乾燥施設の送風能力で判定し、オフセット輪転印刷は毎時7,000立方メートル以上、グラビア印刷は毎時27,000立方メートル以上が法令上の確認起点です。設備名や溶剤を使うという事実だけで対象を決めず、乾燥施設の仕様、系統、設置時期、所在地の条例をそろえて所管窓口へ確認します。

VOCを扱う印刷現場では、作業者のばく露を扱う安全衛生と、大気への排出を扱う制度が混同されがちです。乾燥施設の届出・測定記録と、局所排気や作業環境の確認を別の目的として整理すると、設備変更時の確認漏れを減らせます。

印刷工場のVOC排出規制とは

VOC排出規制は、大気中へ排出される揮発性有機化合物について、対象となる排出施設の届出、排出基準、測定・記録などを定める制度です。印刷工場では、印刷方式と乾燥施設の仕様を確認の入口にします。

作業環境管理と大気排出規制の違い

作業者の健康を守るための有機溶剤管理や局所排気の確認と、乾燥施設から大気へ排出されるVOCの確認は、対象と確認先が異なります。作業環境の対策をしているからといって、VOC排出施設の届出や測定の確認が済むわけではありません。

大気汚染防止法ではVOC排出施設に関する枠組みを定めています。設備担当は、乾燥施設の仕様、排気経路、設置・変更予定を整理し、環境担当は所管窓口への照会記録を残すと、二つの管理を混同せずに進められます。

印刷方式別の対象施設早見表

大気汚染防止法施行令別表第一の二では、オフセット輪転印刷に係る乾燥施設は送風能力が毎時7,000立方メートル以上、グラビア印刷に係る乾燥施設は毎時27,000立方メートル以上の場合に、VOC排出施設として掲げられています。数値は印刷機本体の能力ではなく、乾燥施設の送風能力と対応させます。

印刷方式確認する設備法令上の確認起点追加でそろえる情報
オフセット輪転印刷印刷用の乾燥施設送風能力が毎時7,000立方メートル以上仕様書、排気系統、設置時期
グラビア印刷印刷用の乾燥施設送風能力が毎時27,000立方メートル以上仕様書、排気系統、設置時期
オフセット輪転印刷とグラビア印刷の乾燥施設を送風能力で確認する図
オフセット輪転印刷とグラビア印刷の乾燥施設を送風能力で確認する図

枚葉オフセットや付帯設備を含む場合も、名称から対象外と決めません。どの乾燥設備がどの印刷方式に対応するか、送風能力がどの資料に記載されているかを確認し、設備系統図とともに所管窓口へ相談します。

乾燥施設の対象を判定する手順

対象判定では、印刷方式、乾燥施設、送風能力、設置場所を一続きで確認します。複数の乾燥施設がある工場では、一施設ごとに情報を分け、合算の扱いを自己判断しないことが重要です。

オフセット輪転かグラビアかを確認する

まず、対象とする乾燥施設がオフセット輪転印刷用か、グラビア印刷用かを、設備仕様書、メーカー資料、工程図で確認します。営業上の製品分類や受注品目だけで判断せず、実際にどの方式の印刷に供される乾燥施設かを整理します。

設備を共用している場合や、工程変更が予定されている場合は、確認した条件を記録に残します。方式が変われば、前回の結論をそのまま流用せず、設備仕様と所管窓口の案内を照合します。

乾燥施設の送風能力と単位を照合する

送風能力は、カタログ、仕様書、銘板、施工資料のどこに記載されているかを確認します。単位表記が資料ごとに異なるときは、勝手に換算して結論を出さず、根拠資料と換算過程をそろえて確認します。施設ごとの番号、設置場所、排気系統も併記すると、照会の前提が明確になります。

「大きな乾燥機だから対象だろう」といった印象で判断せず、方式と送風能力を対にします。複数設備の能力を合算するかどうかも、系統図と設備配置を添えて自治体へ確認する事項です。

乾燥施設の仕様書と排気系統図から送風能力を照合する図
乾燥施設の仕様書と排気系統図から送風能力を照合する図

施設の設置時期と自治体条例を確認する

設置時期、更新内容、所在地によって確認すべき届出や自治体の運用が変わる可能性があります。設備発注、据付、能力変更、廃止の予定があるときは、仕様が確定する前に所管窓口へ相談し、必要資料と確認時点を工程表に置きます。

国の制度に加えて、自治体条例や地域の案内を確認します。排出基準、手続、提出資料を全国一律に書き換えず、回答日、確認先、対象設備、前提となる方式・能力を記録します。

乾燥施設の設置時期、更新内容、所在地条例を分けて確認する図
乾燥施設の設置時期、更新内容、所在地条例を分けて確認する図

届出・測定・記録を運用する方法

対象となる可能性を確認した後は、届出、測定、記録をそれぞれ別の管理項目として扱います。環境法令の記録と、日常の受注・工程・原価情報を混ぜず、関連する設備番号や案件番号だけを参照できる状態にします。

設備変更前に所管窓口へ相談する

乾燥施設の新設、増設、能力変更、廃止を検討するときは、工事開始前に設備資料を添えて所管窓口へ相談します。相談時には、印刷方式、乾燥施設の仕様、送風能力、排気経路、設置場所、工事予定を示し、届出の種類や提出時期を確認します。

窓口の回答は、設備資料の版と一緒に残します。工事内容が変更されたときは、回答の前提も変わるため、前回の照会結果を新しい設備へ自動で当てはめないことが大切です。

排出濃度の測定条件を公式資料で確認する

大気汚染防止法第17条の12は、VOC排出者に濃度の測定と結果の記録を求めています。測定方法、頻度、保存期間は設備や地域の条件で確認が必要なため、一律の値として扱わず、最新の公式資料と自治体案内を確認します。

測定記録には、対象施設、測定日、条件、結果、確認者、根拠資料を対応させます。測定値だけを保管するのではなく、その数値がどの施設・どの条件のものかを追えるようにしておくと、設備更新後の比較にも使えます。

VOCの測定対象、測定条件、結果、確認者を対応させる図
VOCの測定対象、測定条件、結果、確認者を対応させる図

測定結果と設備変更履歴を分けて残す

測定結果は排出管理の記録、設備変更履歴は対象判定や届出の前提となる記録です。両者を一つの表に押し込まず、設備番号や回答日で相互に参照できるようにします。測定の実施と、改造・修理・設定変更の履歴が分かれていれば、数値の変化を確認する際にも前提を見失いません。

印刷HUBはVOC届出や測定記録を管理する専用機能ではありません。法令確認後の通常案件について、見積、受注、プリプレスから納品までの工程、原価を整理する用途に限ります。法令上の記録は、要件を満たす別の方法で管理してください。

VOC法令記録と印刷案件の見積・工程・原価情報を分ける図
VOC法令記録と印刷案件の見積・工程・原価情報を分ける図

印刷工場の環境法令と届出で全体の確認順を整理し、SDSは印刷業の化学物質リスクアセスメント、役割分担は印刷業の化学物質管理者を参照してください。印刷工場の局所排気装置定期自主検査と印刷工場の作業環境測定は、作業環境側の確認として区別します。

よくある質問(FAQ)

枚葉オフセット印刷機も数値基準の対象ですか

名称だけで結論は出せません。大気汚染防止法施行令別表第一の二第6号・第7号の施設定義と、実際の印刷方式、乾燥施設、送風能力を照合します。枚葉か輪転かという呼び方だけでなく、対象となる乾燥設備の仕様を所管窓口へ確認してください。

送風能力は複数設備を合算しますか

自己判断で合算しません。各設備の仕様書、排気系統図、設置場所をそろえ、どの単位で確認するかを所管自治体の窓口へ確認します。設備が共用される場合も、方式と運転条件を説明できる資料を添えます。

VOC濃度はどの頻度で測定しますか

大気汚染防止法第17条の12を確認起点とし、測定方法、頻度、記録の扱いは最新の環境省・自治体案内で確認します。法令名だけで固定の頻度を決めず、対象施設と所在地の条件に応じた案内を採用してください。

法規制対象外ならVOC対策は不要ですか

法定の対象判定と、自主的な排出抑制は別の論点です。大気汚染防止法第17条の14はVOCの排出・飛散状況の把握と抑制措置を定めています。対象外と判断した場合も、SDS、設備仕様、自治体の案内を踏まえ、必要な安全衛生・環境対応を別途確認します。

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まとめ

VOC排出規制は、印刷方式、乾燥施設、送風能力、設置時期、所在地を結び付けて確認します。オフセット輪転印刷の乾燥施設は毎時7,000立方メートル以上、グラビア印刷の乾燥施設は毎時27,000立方メートル以上が確認起点ですが、対象判定や手続は設備実態と自治体案内を添えて判断します。

作業環境管理と大気排出規制を分け、測定結果と設備変更履歴を別に残すことで、更新時にも前提を確認できます。法令の届出・測定記録は要件を満たす別管理とし、通常案件の見積・工程・原価は役割を分けて整えてください。


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